①民主主義はシステムとして機能しているか?

当地において民主主義は機能しているかという命題は多様性や自由な議論の問題と絡み合っている問題である。世の中には多様な価値観、立場、意見が存在する。その中には180度違う意見もある。一例をあげれば一般にリベラル派は裕福な人間から税金をとり、貧しいものや弱者救済をすることは善と考えるが反リベレル、リバタリアン等はそれを政府が裕福なものから盗むのと同等で悪と考える。民主主義システムの役割は、様々な立場や価値観に基づく多様な意見を必要に応じて一定のルールの基に冷静に集約していくことであると考えられる。民主主義のルールが確立していない社会では時には自分の意見、立場や利益を通すために暴力的な手段がとられることもあるが民主主義のルールが確立した社会では一般に意見は民主主義のルールに従って主張される。システムとしての民主主義の果たすべき役割を考えると意見の違うものほど冷静にルールに従って話し合い、議論することが望ましいと思われる。原則的には、あらゆるものが議論の対象となり、タブーとされるものは存在しない。議論の過程では、自分と異なる相手と議論する場合、相手の主張の論理展開の欠点を指摘し相手の考えを変化させる場合もあるだろうし、逆に自分の主張の論理展開の欠点を指摘され、自分の主張を修正したり、引っ込めたりする場合も出てくるだろう。自分の価値観と違う人と議論してもお互いを理解できるとは限らず、ますます嫌いになるかもしれない。しかしそのような議論を通じて近代社会の市民として公共政策に関する議論に参加する場合の主張をより洗練されたものにできる。一定の結論に至る必要がある場合、意見の大きく違うものほど冷静に議論し、立場が同じ部分とどうしても違う部分を冷静に見極め、違う部分に関しては合理的な妥協点を見出すよう努力し、どうしても妥協できない点が生ずれば最終的には多数決で結論を出す。こういったところが合理的で常識的な民主主義のルールと思われる。システムとしての民主主義が機能するためにはあらゆることが議論の対象となり原則タブーがあってはならない。あらゆることが冷静に主張され、冷静に議論されなければならない。かってハーバードの政治哲学の教授だマイケルサンデル氏は政治哲学の講義、社会正義に関する講義を一学期分全部で12時間近くを世間に公開した。その中ではタブーなくあらゆることが学生たちと議論されている。いわゆる『ハーバード白熱教室』である。この中でカトリックの女学生アンドレア・メーローズは中絶に反対する意見を述べている。彼女は中絶は殺人と考えていて、人が犯罪行為を見かけたら市民の義務としてそれを看過できないのと同じに人としてそれを止めなければいけないと考えていました。このような意見は過激に表現しようと思えばいくらでも過激に表現できますが彼女はこれ以上ないと思われる程冷静に自分の意見を表明しています。『私が胎児が一個の人格であり、生存権を有していると信じているならば、それを脇に置いて他の人に好きなようにさせるのは難しいことです。なぜならそれは、私が殺人と考えることをあなたにはさせましょうと言うのと同じだからです』。


ハーバード白熱教室12  30m-33m

地方行政と私(構築中)

東十勝地方のある医療人が地方行政組織と想像を絶するような信じがたい不合理な【私の立場から見て】経験をしました。その医療人がこのサイトを管理していましたが時間と、労力の余裕がなくなりました。それで代わって私がそのサイトを管理するようになりました。その際以前の管理者からその体験を聞き、十分な資料(公開資料)を譲り受けました。このサイトの内容に関しては今後以前の医療人には責任はありません。

1コメント

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  • sandel2016

    2019.07.28 14:31

    ワオー