近代国家の法治・法の支配の原理を確立したのはイギリスのトマス・モアと言われています。人間にとって必要不可欠なものは基本的人権としての自由でありそれを保障するものとしての法の支配であると思います。
『この主体は、彼の自由意思による自律の故に神聖なのである、そしてまたまさにかかる自律の故に、いかなる意思も、従ってまた各人がそれぞれ自分自身に向けたところの意志すらも、理性的存在者の自律に一致するための条件に制限されているのである。そしてその条件とは-このような制限を蒙っている主体そのものの意志から生じ得る様な法則に従うのでなければ、理性的存在者をいかなる意図にも従わせることはできない、それだから理性的存在者は、決して単に手段としてのみ使用せられるのではなく、同時にそれ自身目的として使用せられねばならない、ということである。「カント」「実践理性批判」』
世の中に広く受け入れられている歴史観の一つに近代経済ひいては近代社会はプロテスタントがヨーロッパにもたらした価値観を基に成立したという考え方があります。プロテスタントは人々が自由にその能力を発揮することが社会を発展させそのことによって世界は完成に向かっていくと考えていました。そしてそのような世界の合目的秩序の中に神の栄光があり
我神の栄光のためにはいかなる犠牲も辞さずとも言っていました。神の栄光のためにはいかなる犠牲も辞さずという観念を最も強く持っていたのはピューリタンだといわれていますが
近代史の中でピューリタン大きな役割を果たしているように見えることを考えるとこの言葉は説得力があるように思えます。
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